逆横回転サーブは、手首を内側に曲げてボールの端を巻き込むように行う、特殊な技術を用いたサーブです。
このサーブは、バックサーブやYGサーブに似た回転を持ち、これによりボールがフォア側に飛びやすくなります。日本女子卓球代表の選手もこのサーブをよく使用しています。
この記事では、逆横回転サーブのやり方、コツ、練習方法、さらにトップ選手の技術について詳細に解説します。
逆横回転サーブのメリット
逆横回転サーブを使う利点として、通常のサーブよりも回転が判別しにくく、相手のレシーブをやりにくくさせることが挙げられます。
このサーブを使うことで、相手のレシーブが甘くなりやすく、3球目での展開のチャンスが増えます。また、逆横回転なので、相手の返球がフォア側に集中しやすく、フォアドライブを得意とするプレイヤーには特に有利です。
逆回転サーブの基本技術
このセクションでは、逆回転サーブの基本的なやり方を紹介します。横上回転と横下回転の逆回転サーブのそれぞれの技法を説明します。
横上回転逆回転サーブの技術
横上回転の逆回転サーブのやり方は、以下の通りです。
1. ラケットを縦に近い角度で持つ。
2. ボールを投げると同時に、肘を後ろに引く。
3. ボールの外側を下から斜め上に向けて擦る。
このサーブでは、ラケットをやや縦に持つことが重要です。ボールを投げ上げ、肘を引いた後、ボールが降りてきた時に、肘を戻しながらボールの外側を斜め上に向けて擦ります。
横下回転逆回転サーブの技法
横下回転の逆回転サーブのやり方は次のようになります。
1. ラケットを少し立てた状態で構える。
2. ボールを投げると同時に、肘を後ろに引く。
3. ボールの外側を斜め上から斜め下に擦る。
初めの2ステップは横上回転のサーブと同じですが、ボールと接触する瞬間の擦り方が異なります。この場合、ボールの外側を斜め上から斜め下に向けて擦ります。
横上回転と横下回転の逆回転サーブの違いは、ボールを擦る方向にあります。
上手な巻き込みサーブのための5つの秘訣
このセクションでは、巻き込みサーブを上手にするための5つの重要なポイントをご紹介します。
1. 手をリラックスさせる
巻き込みサーブの第一の秘訣は、手をリラックスさせることです。一般的なサーブに共通することですが、リラックスできないと、インパクト時に不必要なスピードが加わり、サーブが甘くなったり、回転が不十分になったりすることがあります。
そのため、巻き込みサーブでは、リラックスし、ボールに触れることが大切です。リラックスすることで、ボールに上手に回転をかけることができます。
2. ラケットの角を活用する
次のポイントは、ラケットの角を上手く使うことです。サーブを行う際、ラケットの角を使ってボールに触れるイメージを持つことが重要です。
初めは実際にラケットの角にボールが触れることもあるかもしれませんが、この方法でボールに上手に回転をかける感覚が身につきます。これにより、サーブの回転量を増やし、よりよいサーブを生み出すことができます。
3. 手首を活用する
巻き込みサーブを行う際の3つ目のポイントは、返球時に手首を活用することです。腕だけでは十分な回転を加えることが難しいため、腕とともに手首も使うことが大切です。
手首を使うことで、サーブの質が向上し、相手にとって取りづらいサーブを返すことができます。
4. 適切なトスの高さを保つ
第四のコツは、適切な高さでトスをすることです。トスが高すぎると、初心者にはタイミングの取り方が難しくなり、オーバーやネットする可能性が高まることがあります。
初心者は特に、ルールの範囲内でトスを低めに保つことが推奨されます。これにより、サーブのタイミングが取りやすくなり、オーバーやネットする可能性を減らすことができます。
5. 本来の意図とは別の動きを行う
最後のポイントは、本来の意図とは別の動きを行うことです。巻き込みサーブは本来、回転が判別しにくい特徴を持っていますが、本来の意図とは別の動きを加えることで、相手が違う判断をする可能性が高まります。
例えば、横上回転サーブの後にラケットを下に動かしたり、横下回転サーブの後にラケットを上に動かすことで、相手にボールを選びにくくさせることができます。練習を積んで慣れてきたら、本来の意図とは別の動きを取り入れて、サーブの性能をさらに高めましょう。
上手な巻き込みサーブの練習方法
巻き込みサーブを上達させるための練習方法について紹介します。
床での回転練習
巻き込みサーブの基本となるボールの回転をマスターすることから始めましょう。特に初心者の場合、ボールの外側を適切に捉えるのが難しいかもしれません。
そこで、卓球台を使わずに、床でボールに回転をかける練習をおすすめします。ボールを床にバウンドさせ、その曲がる方向を観察しながら、適切な回転がかかっているかを確認します。この基本を押さえることが、巻き込みサーブを上手にする第一歩です。
卓球台でのサーブ練習
床での回転練習ができるようになったら、卓球台でのサーブ練習に進みます。初めはサーブの長さよりも、ボールにしっかりと逆横回転をかけることに集中しましょう。
横上回転と横下回転のサーブを練習し、それぞれの回転のコントロール方法を学びます。
サーブの長さの調整
巻き込みサーブが安定して出せるようになったら、サーブの長さを調整する練習に移ります。実践の場で上手に使うためには、短いサーブと長いサーブを自在に操ることが重要です。
ラケットを当てる加減やバウンドの位置、ボールと接触するタイミングを調整しながら、短いサーブと長いサーブの出し分けを練習します。
巻き込みサーブを使うおすすめのシーン
巻き込みサーブをマスターしたら、実践の場での活用方法を考えましょう。
フォア前の短いサーブで相手を誘導
巻き込みサーブをフォア側の前方に短く出し、相手に特定のボールを引き出す方法です。横下回転のサーブは、相手のツッツキをフォア側に誘導しやすくなります。
この特性を活用し、相手がフォア側にツッツキを返すことを見越して、フォアドライブを選択する計画を立てます。
バック側へのロングサーブで自分の展開に持ち込む
もうひとつは、相手のバック側に横上回転のロングサーブを出すことです。このサーブは相手コートでバウンドして伸びる性質があり、相手が詰まりやすくなります。
相手がバック側で詰まってレシーブするところを、積極的に展開してみてください。たまに使うことで、相手がレシーブをオーバーやネットする可能性が高まります。
巻き込みサーブへの対処法
相手から巻き込みサーブが来た場合、どのように対応するのが最適でしょうか?
巻き込みサーブは、その横回転の特徴により、単純なレシーブではボールが相手のフォア側に流れやすい傾向があります。たとえば、フォア側へのレシーブを試みる際、巻き込みサーブ独特の回転によりオーバーの可能性が高まります。このため、フォア側へのレシーブを行う時は、実際にはミドル方向に展開するとよいでしょう。
このように、巻き込みサーブに対して適切にレシーブするには、その横回転の影響を正確に理解し、それに応じたレシーブを心がけることが重要です。
まとめ
この記事では、巻き込みサーブのやり方、そのコツ、及び巻き込みサーブを使用した計画について説明しました。
初めは難しいと感じるかもしれませんが、ここで紹介したポイントを抑えれば、巻き込みサーブを安定して返すことができるようになります。また、この技術を身につけることで展開の選択肢が広がり、3球目のフォアドライブが容易になります。
サーブのバリエーションを増やしたい方や、選択肢を広げたい方は、ぜひこの記事の内容を参考にして、巻き込みサーブをマスターしてください。